6 「コンニチワ」 「ちょっとっ。それ、人にものを頼む態度じゃないわよ!」 「うるさいなぁ。あんたに用はないよ」 その態度が余計にリザの怒りに火に油を注ぐ結果となった。 「あっ、あんたも精霊使いなんだ。珍しいねー」 そう言うフェイの口調は楽しげだ。そして、その口から漏れるのは……………、 (―――――なっ………精霊語!?) 相手の唱える呪文を聞いて、急遽リザは唱える呪文の内容を変更する。 (こいつっ………ここを燃やす気!? ばっかじゃないのーーーーーー!?) リザの唱える呪文の内容が変わったのに気づいて、フェイはひゅうっと口笛を吹く。 「真空にする気? こえっ。………でも、やるじゃん―――――」 (バカは放っておくに限る!) (よっしゃ。完成した―――――!)
「エルハ・ビォ・ドゥマーサ!」
「……………なっ!」 二人は同時に声をそろえる。 ―――――今のは浄化呪文!? 最高位にある魔道師にしか使えないという、秘儀中の秘儀。どんな魔法をも無に帰すという、浄化呪文。それを、呪文の詠唱もなしに使う!? 一体だれが―――――。 「おまえら………こんなとこで魔法使うなら、どっかに行って好きなだけやれ。ここには関係のない客がいっぱいいるんだ。好き勝手やるんじゃない」 そこに悠然と立っていたのはバーリス導師だった。 |